質的データー分析
8月29日
先日読み始めた佐藤郁哉『質的データ分析法』を読み終えた。大学で雑誌の写真分析などしていると、まずは手始めに数量的傾向をつかむわけだが、どうしてもそれは何が「多い」かということを見ているわけである。多いことはひとつの重要な指標である。しかし一方で数は少ないけれど、この一枚の持っている意味というものを感ずることがある。しかしその一枚の意味をどう掬いあげることができるのか、つまり量ではなく質を評価する方法が欲しいと思っているわけである。
実はこれを読んでみても決定的に新しい手法が書いてあるわけではない。おなじみのkj法を含めて知的生産の方法が丁寧にわかりやすく書いてある。新しくはないけれど論理的に整然と書かれているので大変参考になった。しかし一番新鮮だったのは、思考プロセスを手書きカードではなく、すべてコンピューターでやろうという発想である。発想だけではなくそれ用のソフトも既に多く存在しているということである。カードを使ってkj法まがいの思考方法をとっていた僕にとって、著者の方法は、新鮮である。いくつかのフリーソフトや体験版ソフトをダウンロードして遊んでいるのだが、使えそうでまだ使えない。しかし、例えば、カードに書きためたデーターをコンピューター上でばらまいてグルーピングしたり順序づけられればそれは便利である。ただいかんせんコンピューター画面は小さい。製図板くらい大きな板が欲しいところだが。
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