長野生活
9月12日
長野のマンションには冷蔵庫も電子レンジもあるが電気はつながってない。家電製品で使っているものは洗濯機とエアコンだけ。掃除機は使うが月に一度くらいである。椅子はあるが机はない。使っている家具はベッドだけである。これらは皆信大にくることになった時に無印良品でまとめて買ったものだ。普通、買ったものは元をとるまで使うほうなのだが、(使い切らないだろうと思うものは買わない)冷蔵庫と電子レンジは判断を誤った。洗濯機と一緒に三点セットにすると安くなるという甘い宣伝文句にに引っかかった。部屋の広さは、ベッドルームは6畳で畳部屋。襖を隔て中途半端に広めのキッチン。そこに連続した更衣室なしの3点セットユニットバス。
という訳で部屋は恐ろしく殺風景であり、朝起きて歯を磨き顔を洗うともはやこの部屋にいる必然性は全くない。それは夜も同じであり、この部屋には寝る時まで帰る意味がない。そのうえ行きも帰りもあまり寄り道したくなる場所がない。よってこれもほぼ必然的に残った時間いる場所は大学となる。
という訳で研究室の学生は朝早くから、夜遅くまで先生につきあわされる。今日も8時からコンペの打ち合わせ。参加者が乏しく今のところ3名である。まあ少ない方がこっちも真剣になる。
10時からゼミ。今日は参加者10人。とてもよく考えているし、論理性も高いし、僕が読みたくても読んでないような本までよく調べているようなレジメは聞いていて気分がいい。スーッと脳に流れ込む。しかしそういうものは残念ながら少ない。毎日何してるの?と聞きたくなるようなものが多い。事情はあろうから問わないが最後は自分に跳ね返る。昨晩ベッドで読んでいたポール・アーデン(広告界の天才)の本を読ませたくなる。
この本のタイトルは長い。『大事なのは今のあなたじゃない。この先、どのくらい上を目指そうと思っているかだ』なんとここまでがタイトル(ファイドン2005)。そしてページをめくるとそのタイトルのボディコピーが続く「金持ちや権力者の大部分は特に才能に恵まれていたり、高等教育を受けていいたり、人間的魅力があったり、格好がよいわけではない。彼らが金持ちや権力者になれたのは、そうなりたいと願ったからだ。どこを目指すか、どういう人になりたいかという目標がきみの最大の財産だ。目指すゴールがなければ得点を挙げるのはむずかしい」 まあ半分誇張だが、基本的にはそのとおりだと思う。
午後の会議を終えて、雑用をこなし帰ろうと思ったら八潮ワークショップのパネルを見てほしいと言われる。メールで送られてきたのを見たつもりだったが、A3で見ていたせいか、A1のプリントアウトを見ると、いろいろと荒が見えてきた。修正を指示。これは僕のミスといえばミスなのだが、指摘したことはフォントの不揃いである。怠け心ではなく本気でこれに気づいていなかったのなら進路を変えた方がいい。
東京駅で丸善に寄ったら竹中のHさんとばったり会う。しかも会ったのがハイデガー書架の前である。お互い苦笑。事務所に戻り一仕事して帰宅。
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