怖い絵
8時から研究室でコンペの打ち合わせ、引き続き10時からゼミ。卒業生が7人修了生が7人。今年はヴォリュームたっぷり。私大と比較すれば少ないのだろうが、普通の国立大学と比べるとちょっと多い。3時くらいには終わるだろうと高をくくっていたのだが案の定終わったのは5時。6時の新幹線に乗ろうと思ったのだが、事務関係、科研関係の雑用をしていたら遅くなった。結局乗った電車は7時半。車中、中野京子『怖い絵』朝日出版社2007を読む。17世紀から20世紀までの絵画20枚が取り上げられ、それぞれの絵に潜む怖さを解説している。ドガのエトワール。その昔バレーダンサーとは娼婦であり、エトワールのカーテンの裏に足だけ見える紳士はパトロンである。という話などはその背景を知ると絵の高貴な雰囲気とのギャップに驚くが、クノップフの見捨てられた街などは海に吸い込まれそうな建物の静謐なファサードの雰囲気自体が怖い。そうやってこれらの絵画を見ていくとどうしてこんな絵を描くのだろうかという気にもなるし、やはり本気の絵というものは人間の葛藤の結末なのだなということがしみじみ伝わる。東京に着いたのは予定よりだいぶ遅れた。事務所に直行。雑用したり、打ち合わせしたり。12時過ぎに帰宅。かみさんが明日の締切の作品を制作中。終わるのかしらん?
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