I LOVE 過激派
10時前に長野駅に着いたら結構な雨である。傘をさそうとして事務所から留守電が入っているのに気づく。この雨だと自転車に乗りながら電話をするわけにもいかない。仕方なく駅構内で電話。内容が込み入っていてなかなか切ることもできないし、講義の時刻も迫ってくるし慌てた。
午前中講義、午後製図。後期後半課題の最初のエスキス。学生はテーマシート(コンセプトをポスターのように描いたもの)を作成してきているのだが、これがひどい。何だこれ?ヤル気あるのか?一気にエスキスの気力を失う。
製図後に飯食って雑用を片付け7時半のアサマに乗った。すると本庄早稲田あたりで「何か」が起ったらしく、軽井沢で電車が動かなくなった。止まること2時間半。その間、早見慶子『I LOVE過激派』彩流社2008を読む。この本は何かの書評に載っているのを見てamazonに注文したもの。著者は1958年生まれだから僕の一つ上。理科大の薬学科在学中から活動を始め共産主義同盟の戦旗派の中で活動していった人である。過激派と呼ばれる組織の中でのオルグ、山岳訓練、そしてアジトでの洗濯、睡眠、そして恋愛まで。普通の一人の人間像が見えてくる。ほとんど同い年の活動家の生活や信条には素直に共感する部分もあるのだが、理解を超える部分も多々ある。しかし、同じ時代に起きた事件の裏側が透けて見えるようでありとても興味深かった。日本の新左翼のこうした活動は昨今社会学者(北田や大澤)が分析し始めている。しかし僕には抽象化された彼らの言葉は実感としては伝わりにくい。それは、僕が社会学のセンスを持ち合わせていないか?あるいは無意識のうちに新左翼の活動に肩入れしているからか?よくわからないが。
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