象VS蟻
中国のとある場所の大開発に乗り込もうとしている某企業のために絵を描くことを頼まれた。しかしそこにはすでに基本設計レベルの絵を描いているコンサルがいる。イギリスのA社。なんとなく聞いたことがあるなあと思って事務所に戻りネットで調べて仰天した。純粋な設計事務所ではないようだが、施工会社ではなく、さまざまなエンジニアリングからデザインからすべてをやるという会社である。ドバイの有名なスイカを切ったような形をしたホテルもこの会社の設計である。従業員はなんと世界各地に合わせて13000人。日建は世界一の設計事務所だなんて思っていたけれどとんでもない。こんな会社があるわけだ。それにしてもこんな資本主義の大車輪のような会社に立ち向かうなんて。象対蟻の対決である。一体何を武器に戦えるのだろうか?しかもクライアントの要求はすでにある基本設計の骨格を変えないで考えろ、である。しかも2週間で。武器を考えている暇もない。この間見たサマーウォーズのようである。しかし彼らは最終的に勝利できた。花札という特技があったから。僕らの特技は??日本の伝統??
最近、ウチの事務所でも同じようなことがありました。既に外資のコンサル系大企業が基本構想を固めてあった案をひっくり返して、今 ウチのチームが中国南部で大開発の一部を担当してます。これは事務所のボスが絵なしでストーリーだけを語って取ったものでした。
もしかするとこれからの中国が建築に求める着想は日本人のそれに近くなっていくのではと最近よく思います。
kamiyama サンクス。勝てる可能性もあるということだ。その時のポイントはやはり冴えたアイデアということ?
私が言うのは痴がましいですが、勝てる可能性は高いと思います。
物的所有だけが購買意欲を担保していた時期は終わりつつあると思います。だからこそ経済効率重視の画一的な開発しかしないコンサルのマスタープランに疑問を持っているのだと思います。
建築家の発したコンセプトをそのまま売り文句にしたいのかもしれませんが。。。
ちなみに私の事務所の場合、クライアントを射抜いたのはボスのone phrase でした。
概念的な言葉ではありましたが、開発の目玉とされている用途の真理を衝いていてハッとさせられると同時に地に足の着いた側面があり違和感なく素直に納得のできるものでした。
ありがとう。考えてみよう。