科学哲学
午前中松本に向かう。姨捨の駅から見える風景はいつ見ても壮大。眼下に広がる町の中に北河原さんの黄金色の建物が見える。松本の会議に出てアズサで東京に戻る。戸田山和久『科学哲学の冒険』日本放送出版協会2005を読む。そもそも科学と言うのは一つの社会現象だと言う考え方が面白い。確かに宗教というものが一つの社会現象であるのと同じくらい科学と言うのも一つの社会現象である。何か科学は必然的にこの世の中にあり宗教というものは偶然この世の中に現われてきたものと感じるがそれは科学優勢の現代にたまたま生まれてきたから感じることなのであろう。だから科学とは一体どのようなものか?という問いは宗教とは一体何なのかと同じように神秘に満ちた問いなのだろう。妙に納得。さらに帰納と演繹について書かれたところを読み目から鱗。両方とも異なる証明の方法くらいにしか思っていなかったが、帰納は演繹に比べて確かさが低い。よく考えれば確かにそうなのだがそんなことは今まで気にも留めていなかった。などなど、面白いことがいろいろ書かれている。事務所に戻り多量のメールに多量の返事を書く。電子辞書の電源が切れた。昨今の電子辞書は電気を異様に消費する。
ご無沙汰しています。勝矢/日建設計です。ときおり、楽しく読ませていただたいてます。
科学と宗教を、「世界を理解するフレーム」として並置する思考については、リチャード・ローティにも同様の趣旨で先行する優れた論文があります。
(『連帯と自由の哲学――二元論の幻想を超えて』)
いまやネオプラグマティズムの旗手として名高いローティですが、この本では、哲学と科学をプラグマティックな観点から、つまり社会に対する世界認識の方法としての説得力の差に過ぎないという思考からドライに分析しています。
へーローティーはそんな本を書いているのですか、覗いてみます。
ありがとう。