更生工事
柳美代子『住まいと女―女性から見た日本住居史』京都松香堂1983を読む。フェミニズム建築論のはしりかと思ったが、もう少し機能的な視点だった。続けて石田博士『中南米が日本を追い抜く日―三菱商事駐在員の目』朝日新書2008を読む。昨夏アルゼンチンへ行く時日本に中南米の情報が少ないものだと思った。著者は朝日の記者だが朝日新聞の駐在ンは南米はサンパウロに一名しかいないそうだ。因みに中米はロサンゼルス支局がカバーする。一方商社員は新聞屋より駐在員の数が多い。だからこの本は朝日のデーター網ではなく三菱商事駐在員の目から見た中南米を朝日の記者が再構成した本である。
朝日より三菱商事の社員数の方が多いと言うのは面白い。社員の数はその人が生み出す利益によって決まるということか。中南米ではニュースヴァリュー(情報価値)は小さいが、マテリアルヴァリュー(モノの価値)は高いということである。
午後事務所に行き打合せ、屋上階から、階毎に、構造伏図と設備伏図と平面図をテーブルの上に置き目をぐるぐる回しながら、雨水配管、雑排水管、汚水管、そして換気ダクト、空調ダクト、の梁貫通をチェックした。4時間くらいかかって一通り終了。そう言えば空調ドレインのルートを確認し忘れた。
7時半からマンションの理事会。今年は排水管の「更生工事」を行う。古くなった排水管を直す方法は二つある。一つは取り替える「更新工事」もう一つは管の中に樹脂を噴霧して錆び穴をふさぐ「更生工事」である。基準階が同じでpsが真っすぐ通っているような集住では排水管をそっくりそのまま取り替えやすいのだが、僕のマンションは各階のプランが異なるのでpsが縦に通っていない。パイプは天井裏で横引きされ、加えてコンクリートへの打ち込み箇所が多く取り替え不能である。したがって「更生工事」とせざるを得ない。この工事は供用部から全ての工事を完結できず、専用部内で四日程度は工事が必要となる。そのた居住者に在宅してもらわないと仕事ができない。すでに昨日で3回の説明会を行い20日の最終回を入れると出席が三分の二くらい、連絡が取れない人は4名程度と結構優秀な成績となっている。工事の次の議題は決算報告。数字が並び始めると眠くなりお腹が鳴る。終ったのは10時。理事の中では僕は若い方なのだが皆さん元気である。
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