車で決まる形を考える
午前中博士の講座会議、入試判定会議、午後の教員会議はゼミですっかり失念。ゼミの輪読はリオタール『ポストモダンの条件』。この本たいしたこと言ってない割には文章が厄介だ。でも「大きな物語」というキャッチフレーズは分かりやすく皆の使う言葉となった。流行語大賞のようなものだ。ゼミ後の1時間設計は小さな家の敷地で100㎡自動車2台停まれる住宅設計。なかなかリアルな条件だ。都心ではその外形は建築家の意志とは関係なく決まるものと奥山信一は言っていたが正しいね。建蔽率と斜線と敷地形状でほぼ決まる。車はこう言う時あまり登場しないが、でも車の存在も大きい。そもそも小さな家の外形も車で決まっているわけだ。この建物以降、車があるから斜めの壁というのはちょっとした流行になった感もある。というわけで、では2台置いたらどうなるの?というのが出題意図。まあいろいろと案が出てきて面白かった。皆が製図している間NHK放送文化研究所編『現代日本人の意識構造[第七版]』NHK出版2010を読む。これは1973年から続く日本人意識の定点観測である。第二章は「男女と家庭の在り方」。その中に女性の教育という調査がある。1973年(調査開始年)女性を大学に入学させるべきだと言う考えは全体の22%だったものが2008年では52%と30%も上昇している。僕が学生の頃同級生(建築学科の)で女子は2人だった。それが今では3分の1(約15人)は女性と聞く。信大も同様だ。50人の内15人から20人くらいが女性である。ところが大学院まで行かせるべきだと言う意識はそれほど増えていない。だから未だに院に行くのを反対される学生も後を絶たない。院は何をするところか親には伝わりきれていないのかもしれない。
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