ニューアーバニズム
二冊の都市計画の本を読んでみた。一つは日笠端・日端康雄『都市計画(第三版)』共立出版(1977)2009とピーター・カールソープ倉田直道・倉田洋子訳『次世代のアメリカの都市づくり―ニューアーバニズムの手法』学芸出版社(1993)2004。前者は大学の教科書本である。よくまとまっているが内容は改訂されてはいても70年代。敢えてそうした昔ながらの都市計画理論をおさらいしてみたかった。一方後者は90年代にアメリカで起こった「ニューアーバニズム」の教科書である。著者ピータ―・カールソープは公共交通志向型開発(Transit Oriented Development)の発案者でありニューアーバニズムの提唱者の一人である。ニューアーバニズムの特徴は、歩行者優先、環境に優しい公共交通、歩行圏内での多様な用途複合、街路のアクティビティ、自然、住民参加、などである。具体的にその方法論を眺めると拠点駅から歩行10分圏内に公共交通を走らせ拠点商業と住宅を快適な歩行空間で連結すると言うものである。例えば長野駅から南は信大、北は善光寺あたりが歩行10分圏である。規模としてはぴったりなのだが、さて実際はと言うと、その中に拠点商業は無い、快適な公共交通が無い(バスはあるがあまり快適で使いやすくない)、緑豊かな歩行空間が無い。と無い、無い尽くしである。この状況を改善するには、先ず郊外の巨大商業施設の出店を政治的に阻止し、圏内に箱を用意して誘致する。次に緑豊かで快適な歩道とバス停の整備。加えて、圏内の集合住宅整備による人口密度の上昇。この三つが出来たらそれでかなり町は改善されるように思うのだが。お金が無いと逃げないで市庁舎作る前に、こう言うことに知恵とお金を使ったらどうだろうかと思ってしまうのは浅はかか??
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