水
午前中土木との合同会議、建築学科の教授会、午後博士後期課程の入試、さらに建築学科の教授会。と、一日中会議。塩山では甲州市長も招いての地鎮祭が行われているのに出席できずスタッフ任せ。今日が大安であることを恨む。会議の合間に富山和子『水と緑と土改版』中公新書(1974)2010を読む。70年代に書かれた行け行け日本を諌めた名著である。このなかに1971年の東京の水大量使用者ベスト20と言う表が出ていて興味深い。一位は東京ガス豊洲工場7,201㎥。一般の家庭用水使用量は一人一日当たり約200リットルなので約3万6千人分である。二位は東大、約6万㎥3万人分。まあこの辺りまではうなずくとして、結構意外なのは四位の羽田空港、五位の東京駅。あるいは七位の帝国ホテル。帝国ホテルは約3万㎥だから1万5千人分である。当時帝国ホテルは約600室程度だから客室のニーズは多くても1000人分~1500人分くらいそれに対して1万5千人分と言うのは驚きである。生まれてこの方水道栓から水が出なくなった経験も無ければ、家が水に浸った経験も無い人間には実感として水の大事さ怖さは分からないかもしれないが、この本を読んでいると70年代近辺の日本の水・緑・土行政は繊細さにかけていたようである。この本に明記されてはいないが72年に首相になった田中角栄の列島改造論とともに日本という国土は余りに急激に変わった。あの時代にああしか進む道が中なったのは今思えば少々残念なことである。
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