二つの大学を訪れて
シザの図書館。レンガの前にコンクリートエプロン
ソウト・モウラはレンガ無視
大理石のブリーズソレイユなんて聞いたことない
マテウスの寮外壁は木。窓の部分は開く。だからエレベーションはいつも変わる。
マテウスの科学技術学部。大げさに見える四角い枠もこの日差しの下ではうなずける。
マテウスの便所。大便器と小便器が交互に並んでいるなんて見たことない。
ポルトを後にして今日は二つの大学に行く。アルベイロ大学はポルトからローカル電車で一時時間。シザ、モウラ、アダルベルト・ディアス、オリヴェイラ、ヴィトル・フィゲイレド、カリルホ・ダ・グラサ、そしてマテウス。ポルトガルの有名建築家が競演をしたキャンパスである。とはいえども、マスタープランで細かなコードが作られたそうだ。建物のフットプリントの輪郭、高さ、そして一番大きなものが外壁をレンガで統一すること。これに対して建築家たちはいかにして自らのアイデンティティを主張するのかいろいろと考えたに違いない。ディアスはレンガの積み方を変えた。シザはファサードにコンクリートのエプロンを垂らした。それでもって、モウラはレンガを使わなかった。そんなのありか?彼は建物を全部ガラスカーテンウォールにしたのだ。これなら確かにレンガ使えないよな。でもこれじゃ暑いのでブリーズソレイをつけた。そしてその素材はなんと大理石だよ。確かにレンガじゃ作れないけれどね。日本じ溶けちゃいそうだけれど、ここは雨少ないからいいのかも。
午後はさらに北に一時間南下してコインブラ大学に行く。ヨーロッパでも屈指の歴史の古い大学でありレベルも高いのだそうだ。丘の上に連綿と続く中世の香りを色濃く残すキャンパス。すげーなー。バークレーも丘の斜面に建っていたが、もちろん全然違う。バークレーは緑のキャンパス。コインブラは石のキャンパス。とにかくドライ。ここには昔ながらの文学、医学、法学などがあるようで、新しい学部はちょっと離れたところにある。そこではマテウスが学食、科学技術学部、寮を、ビルネが情報電気学部を設計している。昨日のシザのポルト大学の建築学部のように、ビルネの建物は高層部はいくつかのブロックに分かれ低層部で繋がっている。どうしてそうなるの?その理由は、双方ともに景色のいい丘の斜面に建っているからだと思われる。建物の裏側の道からの眺望を長い高層棟で遮らないための配慮ではなかろうか?マテウスの三つの建物はそれぞれがそれぞれの必然性でデザインされているように見えた。それにしてもマテウスの建物はどこ行ってもそう思うが、徹底して考えられている。建物全体の建ち方から素材からそのディテールから開口部の作り方まで。気に入っているから一生懸命見てしまうという贔屓目を差し引いても考えている量が半端じゃない気がした。シザの一貫性とも違うし、モウラのやんちゃさとも違う。ものの存在理由を問うているような感じだ。
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