アズレージョ
リスボンのやや東に国立アズレージョ美術館がある。古い教会を改修した美術館である。ポルトガルのタイルの歴史が学べる。ここでいかにタイルがポルトガル建築に根付いたものであるかを知ると、今日までみてきた多くの建物でのタイルの使用が理解できる。シザも街中での建物には多くタイルを使っていた。タイルが使われている周辺環境との連続性に気を配っている。マテウスも灯台博物館のように既存との対話をする建築にはタイルを欠かさない。またどの建築家も大々的ではなくとも必ずどこかで使っていたように思う。もちろんカーサ・ダ・ムジカでは二つの特別室がそれぞれ装飾系のタイルと幾何学系のタイルを使っていた(またタイルではないが、特別室の一つはリスボン市内の「くちばしの家」の外壁を模したものだった)。
ポルトガルタイルは基本サイズが14センチ角。確かにこのサイズ以外のものはほとんど見なかった。常に14センチのモデュールが街の最小スケールである。日本のようにとんでもなくチョイスがあるのも悪くないが、チョイスが少ないというのは瓦の色なんかもそうだけど街の統一感という意味では悪くないのかもしれない。普通にやっていればみなそれになり、そこからの逸脱をしたい数少ない新たな挑戦だけ緊張を生めばいいのである。日本のメーカーは新製品作りすぎかな?
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