輪郭をとることと面をとること
朝食後バスに乗って河津七滝へ向かう。七滝と書いて「ななだる」と読む。文字通り七つの滝が連続する。最初の滝の滝壺あたりに居場所を構え、絵を描き始める。2時間ほど描いてから昼食をとるため下山。その後バスで河津駅まで行き海に出る。海際はすごい風。閉じられた海の家の脇に場所を作りまた絵を描き始めた。
日比野克彦展に触発されて小学生の遠足以来やったことのない絵の具で自然を描くなんていうことをやってみようと思い立った。これはサインペンや鉛筆で建築を描くのとは勝手が違う。やってみればああそうかと思うようなことだが改めてその差を痛感した。
ヴェルフリンではないが、輪郭をとることと面を塗ることには技術的に大きな差がある。絵具で面をとるとどうしたってものの色を真剣に見るようになる。しかも相手は自然だから何色があるか想像もつかない。建築とは違い自然には色が多いことを改めて知る。次に自然の形の複雑さに驚く。当たり前のことだけれど手を動かしてみるとそのことを手で知る。
山と海を見て感じた。山は濁った色で複雑な形状に満ちている。海はピュアな色でシンプルな形で構成されている。きっとどちらにも良さがあるのだろうが最近の気分は海である。年をとると誰でも海を好きになるのかもしれない。
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