6年間の講評会を振り返る
朝一で二年生の設計製図講評会の発表者を選ぶ。25名くらい(半分)を選ぼうと思いつついつも20名くらいで終わってしまう。けれども今日はすいすい30名くらい選べてしまった。ずば抜けて良いものは例年に比べて少ないのだが合格レベルのものが多いということのようである。2コマ目にデザイン論のレポート課題を説明して昼飯。午後、講評会のゲストクリティークである平瀬有人さん現れる。先ずはショートレクチャーをしていただく。タイトルは「建築の自律性と他律性」。これはおよそ建築であれば持ち合わせている性格なのだろう。それを彼は山岳建築研究者として山小屋を例に説明してくれた。登山者の到達目標として「目立つ」という自律的側面と風や雪崩に「耐える」という他律的な側面の共存というふうに。また彼のスイス、日本での仕事についても同じように紹介してくれた。
その後30人の講評会である。彼は先ず質問をしてそれへの返答を聞きながらコメントしていくというスタイルをとる。これは無自覚な学生の設計を反省させる的確な方法に思えた。30人の内から平瀬賞、坂牛賞、佳作5つを選び終了した。信大での最後の講評会。これまで来てくれたゲストの方には深く感謝。ちなみに各々の講評会でゲストの方に好評だった作品を並べてみた。先生の個性も見えるし、少しずつ進歩したような形跡も見える。面白い6年間だった。課題ごとに年代順に並べてみる。
2年生住宅
2005年 今村創平先生 見事な口技に脱剛
2006年 若松均先生 スケールが悪いとややご機嫌悪し
2007年 岡田哲史先生 ずっと立ちっ放しで激辛批評
2008年 福屋粧子先生 やわらかにしかし鋭く
2009年2年生住宅 藤村龍二先生 キーワードは社会性
2010年2年生住宅 石黒由紀先生 丁寧な批評
2年生オフィス
2005年 山本想太郎先生 理路整然
2006年 中村晃子先生 ゆるーい感じで、でも厳しく
2007年 阪根宏彦先生 ニコニコしながら相手を追い詰め
2008年 柳澤潤先生 分かりやすくそして楽しく
2009年 松田達先生+新雄太先生 理論派VS感性派
2010年 平瀬有人先生 問いかける批評
3年生コンヴァージョン
2006年 藤田純也先生 竹中流でせまる
同上 安田幸一先生 形へのこだわり
2007年 岩岡竜夫先生 普通のようで普通でない
2008年 萩原剛先生 やはり竹中流?萩原流?
2009年 城戸崎和佐先生 エキセントリックな称賛
2010年 袴田喜夫先生 保存のプロにしめていただく
3年生幼児の施設
2006年 小川次郎先生 とにかくおおらかに
2007年 高橋晶子先生 理性の中の感性
2008年 曽我部昌史先生 具体へのこだわり
2009年 槻橋修先生 がんがん語る
2010年 松岡聡先生 ゆっくりと静かに
4年生自由設計
2006年 奥山信一先生 厳しく楽しくバーベキューも仕切ってました
2007年 山梨知彦先生 来たと思ったら帰って行った。とにかく忙しい。
2008年 金箱温春先生 構造が意匠になった案が一等賞
2009年 山梨知彦先生 亀井さんドタキャンで山梨先生に再度お願い
2010年 坂本一成先生 真打登場よくこんな遠くへありがとうございました。
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