「ぐずぐず」の理由
学会の建築意匠小委員会というのに新たに参加することとなりその初会合に出席。これで今年の学会は3日とも会場に足を運んだ。まあ近いから苦ではないが。帰りに奥山先生と遅い昼食を一緒にする。その中で彼の大学の某先生の話になる。この先生は実に頭が切れる、判断は明晰で早い。異様に早い。彼が何か言うと殆ど序を話し始めたころには結論を予想してそれに対するコメントが飛んでくるとのこと。「いやそうではないのだが、、、」なんて思っているころには話題は次に移っていたりする。
世の中にはそんな素早い人がいる一方なんとも「ぐずぐず」していてまどろっこしくて結論へ到達しそうでしない人もいる。結論を先延ばしにしているのではなく熟考しているのである。僕の先生もそうだったかもしれない。
鷲田清一『ぐずぐずの理由』角川選書2011はまさにそんなぐずぐずを積極的に評価してその大事さを強調する。「滑りのよい言葉には、かならず、どこか問題を逸らせている、あるいはすり替えているところがある。ぐずぐずしながらも、逡巡の果てにやがてある決断にたどり着く・・・その時間を削ぐことだけはしてはならないとおもう。その時間こそが人生そのものなのだろうから」だそうだ。
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