知識が身の回りを切り分ける
早めの夕食を学食で食べながらT先生の自然観察という授業のことを聞いた。学生と大学周辺を歩き何が見えるかを教えるのだそうだ。夜の木のシルエットだけ見ながらこの形は何の木と教える。蜘蛛の巣の中に巣を食べる小さな蜘蛛がいることを教える。普段何気なく見ている風景が知識によって分節化されていくのだとT先生は言う。
6時から卒制の中間発表会。ゲストクリティークに新建築元編集長の大森さんをお呼びした。30人弱の制作者にA1、1枚をピンナップしてもらい巡回して内容を制作者にヒアリング。講評。その後大森さんに町の読み方などについてお話いただく。理科大前の靖国通りからは西に富士山、東にスカイツリーが見えると教えられた。なるほどそう言われれば確かにこの道はそんな軸にのっている。
普段見えない富士さんもT先生が言う蜘蛛も視覚表象というよりかは知識表象である。人間ってそんな風に知的に世界を切り分けどんどん見えないものが見えるように(見えないものを見るように)なっていくのである。
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