荒木町の魅力
午後、家の裏手にある新宿歴史博物館に行った。今までこの前を通ることは山ほどあれど入ったことが一度も無かった。今日はここの2階の講堂で荒木町についての歴史や景観の講演会が行われるので聞きに来た。
講演まで少々時間があったので博物館の陳列物を見て回る。さすがに東京の中でも江戸からの歴史がある場所だけに見るべきもの沢山ある。なかなかの見ごたえ。
講演は博物館の歴史専門家が地名の由来などを語り、次に区役所の都市計画の方が景観の話し(と言っても法的な話ばかりだが)。そして私が行きつけの「とんかつ鈴新」のマスター鈴木さんが自分の生まれ育った荒木町の昭和30年代からの経験などを話された。明治に入り花街となったこの辺りで少年スズキは芸者から小遣い銭をもらった記憶があるそうだ。そしてとりはこの辺りでイタリア料理屋を数軒持つカルミネさん。荒木町に素敵な和風空間のイタリア料理屋を持っていたが今はそこを建て替えて自宅にしている(神楽坂には未だお店を持っているそうだ)。彼は荒木町にプライドを持ち、人を案内するのが嬉しいと言う。その理由は古いものが残るこの風情である。僕の友人が飲む時はいつもここに来るのもこの風情を求めてなのだと思う。
昨今このあたりは地上げされマンションが建てられているのだが、なんとかうまくこの空間性を残した、時間を残した生き変わりができないものかと切に思う。
JIAが企画したイベントなので多くの建築関係者が来ていたようである。陣内さん、難波さん、松永さんたちにご挨拶。
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