就職おめでとう
信大の院生から電話があった。「就職決まりました」と喜びの声。受話器を取った瞬間に声質で分かる。「良かったなあ」と思う。心から嬉しい。娘くらいの年頃の子なのでまるでわが子のようである。娘の大学合格は最初の一発目は嬉しかったけれど後はそうでもない。沢山聞くとだんだん慣れてしまう。でも就職は第一志望とそれ以外では格段の差なのでそこに入るのはかなり大変である。
先日もいくつかそんなメールを受け取った。どれもこれもそう簡単に入れないような組織事務所だったりアトリエ事務所だったりで感無量である。
信大に入ったころは設計事務所に行く人間が0で困ったものだと思った。そういうところに先輩がいないのだから導きの糸がまるでない。そもそもそういう就職先の存在さえ知らない。そこからの教育である。彼らの希望を否定するところから始めなければならなかった。君ならこう言うところがあるぞと紹介したり。こういう人に会いなさいと連絡をとったり。なんとか秀でたアトリエ事務所へ、質の高い組織事務所へと策を練った。そして6年。就職先も大分変わったものだ。やはり時間のなせる技かもしれない。就職は単に個人の力でもない。やはり積み上がる大学の(というか学科の)プレゼンスや信頼にも左右される。信大に意匠在りを社会に印象付けるのに5年はかかったということかもしれない。後は君達の活躍にかかっている。頑張ってね。
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