経済という価値を相対化した方がいい
完全自殺マニュアルで有名になった鶴見済の新刊『脱資本主義宣言』新潮社2012を帰りの機中で読む。資本主義のグローバル化が世界格差を生みだすに始まり、彼の言うことは多くが正しいと思う。そして「経済」という概念を社会的価値に置くのをやめようと言うのもつくづくそう思う。しかし一方で自分は大衆消費社会で生きていきた人間で、体に消費が染みついている人間だと思う。国外に行けば面白いのは市場やデパートであり、消費は文化だと確信するわけである。一体そんな人間が脱資本主義宣言に全面的に賛成できるかと言うと無理だと思う。資本主義の原理はある程度賛成である。でも経済を全面的な価値とすることはすぐにでも考え直した方がいいと思っている。だからと言って経団連と言うような組織が政治に口出しするのをまずいとは言わない。しかしそれならそれに対抗するような組織にもしっかり発言の場を与えるべきであり、それによって経済という価値を相対化していく必要があるのだと思っている。
経済の価値の相対化とは、こんな感じでしょうか。
貨幣経済:非貨幣経済≒9:1(現在)
これを徐々に貨幣経済の割合を減らして最終的には逆転させてしまうとか。