ドイツの初期モダニズム
第一回分離派100年研究会というのが本郷で行われた
東京造形大学の長谷川章先生、日本大学の田所辰之助先生に講演いただいた。長谷川先生の青島のドイツ建築はとても刺激的。田所先生の、ミースもグロピウスも登場しないドイツモダニズム建築の話も興味深かった。
ドイツ20世紀の世紀の変わり目は改革建築、表現主義、アーツアンドクラフツ的ムテジウスデザイン、幾何学的ホワイトキューブという風にそのスタイルは変化しているが、底流を流れていたのは「生活の質の向上、光を求めて郊外へ向かう、緑に埋もれて暮らす」という思想だった。今でも建築史には残らない、緑に埋もれた郊外のキューブで豊かな生活が育まれているそうだ。それがギーディオン、コルビュジエ等によってヒロイックでモニュメンタルで形式主義的で個人主義的なオブジェに変形された。我々は英雄的建築家による特権的な建築がモダニズムを作ったと教わってきたために、ドイツ初期のこんな思想を語る言葉をもっていないのである。
お久しぶりです。
「生活の質の向上、光を求めて郊外へ向かう、緑に埋もれて暮らす」は、「生活の質の向上、光を求めて上空へ向かう、緑に埋もれて暮らす」にすれば、現在も同じことが言えますね。