莫言と王澍
村上春樹がきっととるだろうと思っていたノーベル賞を受賞した莫言に興味がわいた。でも興味は莫言自身にあったというよりは、村上ではなく莫言であったというその差にあった。そこで莫言『赤い高粱』(井口晃訳、岩波書店、(1987)2003)を数日前から読み始めた。今日も夜、読み進めながら思い出すものがあった。今朝ぺらぺらめくっていた建築雑誌の写真である。この雑誌はラテンアメリカで編集者がくれたなかなか素敵な世界の建築を載せた雑誌である。その中の一枚の写真。それは今年の建築のノーベル賞と言われるプリツカー賞をとった中国の建築家王澍(ワン・シュー)の作品である
思い出した理由はおそらく、『赤い高粱』の野性味、自然の荒々しさが王澍(ワン・シュー)の作品にも感じられるということではなくて、世界がそんな属性を生み出す、田舎っぽさ、地方性に思いを寄せたそのベクトルの近似に思い当たったからだと思う。
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