歴史の中で出会う言葉に現代の意味をあてはめてはいけない
昨日、配偶者に「日本」という名前がこの国の名称となったのはいつか知っている?と聞いたら日出る国の後だから700年台と言う。あれいい線いっている。僕より歴史センスありそう。正解は689年。天武天皇が編纂を開始して死後その皇后の持統が施行した浄御原令(きよみはらりょう)に記されていたとされるそうだ。僕にはそんな知識は全くなかった。網野善彦の『歴史を考えるヒント』新潮文庫(2001)2012に歴史の言葉は今持っている意味を挿入してはいけないという教訓の最初の事例として取り上げられていた。
この教訓は例えば『言葉と建築』にも当てはまる。ここで書かれていることはまさにそのことなのである。例えば形、例えば空間、例えば機能。これらが今僕らが知っている意味になったのはたかだか100年前くらいのことである。それまでは建築を説明する言葉として存在しないか違う意味だったわけである。歴史の中で出会う言葉、いやそもそも言葉とは常にそういう目で見ていないと危ない。
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