僕にとってのテクトニクスとは?
●昨年竣工した児童養護施設管理棟の屋根の鉄構造の露出
自分が建築を創る時にテクトニクス(構築)についてどう考えているのか?それをこの一週間考えているのだがなかなか答えが出ない。そもそもフランプトンの言葉ではなく、自分自身の言葉でテクトニクスをどう定義するのか?
テクトニクスは見る方にとっては3つの側面を持っているように思う。
① 建築の成り立ち(formation)が理解可能であること
例:デスティールの要素主義とか、日本の真壁づくりの建物など
② 力の流れが(flow of forces)が可視的であること
例:オーギュストペレの柱梁が良く見えるラーメン構造など
③ 素材性(ontologic materiality)が感じられること
例:ズントーのテルメなど
それで自分はこのどれを重要と考えているのだろうか?
建築の成り立ちは分かりやすい方がいいと思っている。妙に複雑である必要性を感じないから。でもわかりやす過ぎると深みが無いので7割くらい分かるのがいい。
力はとても感情移入しやすいので全部見えるとそれで建築が終わってしまう。なので3割くらい可視的であれば十分である。
素材は視覚だけでなく触覚も参加する側面なのでこれも影響力が強い。そこでインテリアの5割くらいが感じられると丁度良い。
テクトニクスは建築の本質ではない。建築の本質を作るためのテクニークである。しかしこれを外すと建築を作れない。言えば建築の修辞である(というと軽すぎるだろうか)?デンマークでの講演のお題がテクトニクス。正攻法で直球で返すか????
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