妖怪建築を教えるために妖怪を学ぶ
僕の建築の規則の講義の何回目かは『妖怪と人間』というタイトルであり、バランスのとれた人間的建築と部分が肥大したような妖怪的建築の話をしている。というタイトルの講義をしていながら、正直言って妖怪のことは何も知らない。なので妖怪の展覧会を見に行きついで入門書を買って斜め読んだ。二つの本にはどちらも幽霊(お化け)と妖怪の違いについて書いてあっておかしかった。幽霊とは出る時間が決まっていて、出る相手も決まっている。妖怪は出る場所が決まっていて、出る相手は決まっていない。どうもそんな区分けになっているようだ。河童も鬼も天狗も山姥も皆妖怪に入るとは知らなんだ。
(柳田國男『妖怪談義』講談社1977(1956)、小松和彦『妖怪文化入門』角川ソフィア文庫2012)
You must be logged in to post a comment.