アトムはもう要らない
午後日建設計の亀井さん、山下さんと後期の大学院製図課題の打ち合わせを行う。前期は藤原さんと小西さんに構造的視点で建築を考えるトレーニングをしていただいたので後期は環境的視点から建築を見る訓練をしていただくことにした。山下さんは僕が在籍していたころ一緒に組合活動をしていた設備のエンジニアであり理科大理工の出身である。
外堀を環境利用した市ヶ谷駅の設計とか外堀周辺の開発とか神楽坂をcool town(涼しい街、かっこいい街)にしよう、などの課題案を議論。最終的には理科大神楽坂キャンパスタウンをいかに環境オリエンテッドに作れるかというテーマで行うこととした。キャスビーの知識をベースに多少の計算を行いながら試行錯誤する。電気を使わない大学なんて考えられたら最高である。
夕方の飛行機で札幌に向かう。時間が無いのに秋葉原から上野に向かうべきところを逆向きの電車に乗ってしましいあせった。
機内、吉見俊哉『夢の原子力』ちくま新書2013を読む。この本は単なる原子力開発ストーリ―ではなく、原子力が夢物語としてどのように社会に表象されてきたかをゴジラやアトムなどのメディアに登場するキャラクターの変遷を通じて分析している。ゴジラの顔がソフトになったのと原子力発電所が多く稼働し始めたのが同時期であったのは偶然ではないということである。
鉄腕アトムは100万馬力を生み出す原子力の象徴であり100万馬力を使いこなすのが半世紀前の夢だった。しかし現代は100万馬力なしでいかに同じ生活を維持できるかが課題なのである。キャンパスタウンも是非0エナジー建築にしたいものである。
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