稲葉なおと氏の新著にぐっとくる
大学の同級生稲葉なおと氏の新著を拝読した。『匠たちの名旅館』集英社2013である。素敵な装丁の本である。帯の言葉がふるってる「・・・関係者たちの苦闘を達意の文章と叙情的な写真で語りつくす本格ノンフィクション!世界よ、これが日本の宿だ」少々大袈裟にも聞こえるが、その通りである。
登場する建築家は村野藤吾、吉村順三、そして三人目は平田雅哉。おそらく大部分の人が知らないこの大工上がりの設計者の作る者はかなりいい。特に万亭の玄関フロントなどグッとくる。
いい旅館やホテルに行くといつも思うのだが、とても自分にはこんな設計はできないだろうししないだろう。でもその場所に心地よさを感ずる。現代の作曲家がモーツァルトに快感を感じてもそういう作曲をしない(できない)のと同様である。
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