ミクロの決死圏
TUSフォーラムなる理科大の叡智を結集した医療と工学の接点を探求するフォーラムが開かれ、理科大の理事長、学長、教授陣、来賓など計10名以上のレクチャーが12時から夕方6時まで続いた。都合ですべてを聞くことはできなかったが、トップランナーのお話は実に面白いし興味深い。医療と工学の接点は工学でも最もハイテクな分野だろうし、当然ミクロの世界でもあり、我々建築屋からすると同じ工学といえども異次元の世界に侵入したような興奮を覚える。特に驚いたのは東大片岡一則先生のお話。最初に登場したスライドが昔懐かしい「ミクロの決死圏」の映画ポスターである。この映画は医者と潜水艦をミクロサイズに小さくして病気の人体に入り込み病巣を駆除するというものである。なんでこんなポスターを見せてくれたかというと、現代医療ではミクロサイズの病気駆除マシンが作られているという。もちろんそれは機械ではなく、分子なのである。しかしその分子が体の中である目的を与えられてその通り動くというのであるから驚きである。こう考えると建築とは実に泥っぽい。
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