日本は成熟に向かっているか?
数か月前に友人の新聞記者と食事をした時に安倍のミックスを真っ向から批判していた。彼曰く、国家の貨幣価値を下げる政策なんぞあり得ず、実に対処療法的であるというわけである。その時他の友人はそれに賛同しなかったのだが、自分は確かにそういわれてみればそうだと感じていた。
今読んでいる柏原英資『国家の成熟』新潮新書2013には彼の言ったことがそのまま書いてある。彼がこれを読んいたかどうかは知る由もないが、この本を読むと彼の言わんとしたことが納得できる。曰く「成長の時代は終わった」「円安よりも円高を」「もはや貿易立国には戻れない」などなど。円高は成熟のシンボルだとこういうのである。
そうなのである。成長の時代を終え、成熟社会にスムーズに移行すことが我々の必要とするヴィジョンなのである。ところが実態はそうなっていない。経済政策も、エネルギー政策も、我々は現政権にミスリードされているように感じる。しかしそれは現政権が横暴なのではなく世論がそれを許しているからに過ぎない。我々がもっとしっかりしないと本当に日本は間違った方向に進んでしまう。
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