宗教存続の秘密
考えてみれば宗教団体とてただの人間が作った組織にすぎないのに、そんな組織が千年以上も続いているのは驚きだ。果たして今の世界の大企業が千年以上存続可能だろうか?
ヴァティカンはそうなるとカソリック会社の本社所在地でヴァティカン宮殿は本社ビルである。世界中に支店を持つこの会社が途絶えないのはなぜだろうか?先ず信じがたいのは聖書が2400の言語に翻訳されているという事実(そもそも言語ってそんなにあるのかと思うが現在言語は6900あるそうだ)。それだけ豊富な言語に翻訳されているにもかかわらず、教えに極端な幅が生まれていないし、分派化してまとまりを失わないでいるのが不思議である。その一つのヒントがラテン語であるとこの本には記されている。カソリックを学ぶ者が身につけなければならないのがラテン語である。ラテン語は書き言葉なので古来その用法意味が変わってこなかった。すなわちその文章の意味するところが古来一定であるという。母国がどうであれラテン語で聖書を学ぶことで共通理解に至る。この二重言語システムがキリスト文化存続の秘密の一つらしい。(岩淵潤子『ヴァティカンの正体―究極のグローバルメディア』ちくま新書2014)
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