原広司さんの講演会@理科大
原広司さんのレクチャーが理科大で開かれた。原さんの最も魅力的な本は『建築に何が可能か』である。この本で原さんはモダニズムをこう説明する。20世紀に芸術も建築も科学に憧憬を抱きそしてすべては抽象化を目指した。その理論的なバックボーンはヴォリンガーである。そして絵画は抽象化によって対象を捨象した。そして建築は機能を捨てた。
そして原さんの建築はこの抽象化を攻撃したと僕には映った。し か し 原さんはこの抽象化の攻撃を抽象的に行おうとした。今日の講義でも重要なのは建築家は建築を説明する言葉を持っていないという点である。つまり新しい建築を創るためには新しい言葉がいるのだという。言葉とはそもそも抽象化によって生まれるものである。原さんの最大の力は抽象によって生まれる何かで抽象化を攻撃するという原理的な矛盾を内在させたその創作のメカニズムにあると僕には思える。もちろんはたから見ている勝手な推測だが。
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