反グローバリズムの克服とは脱グローバリズムに繋がる
年の初めに少し自分の意見を客観視しようと思い、自分と逆の意見と一見思える本に手を伸ばす。今書いている文章で批判しようとしているものがいくつかあるが、その逆の立場からの意見として八代尚宏『反グローバリズムの克服――世界の経済政策に学ぶ』新潮選書2014を先ずは読んでみた。さて読んでみると反対すべきこともあるが賛同できることも多々あることに気づく。そもそも僕は反グローバリズムではなく脱グローバリズムなのだと自らの立場を改めて考えた。つまりグローバル全てを悪だと思っているわけではないし、グローバリズムと密接に絡むネオリベラリズムの主張である競争を何でもかんでも不要と考えているわけではない。国際性なき地方主義に未来はないと思っているし、全てに平等を主張する怠惰は回避しなければならないと思っている。そうした視点からすると、八代氏が指摘するように中途半場な政府介入が破綻仕掛けた金融機関を救済し、それによって民間はそれを見越して行動し、より高いリスクの商品を生み出すインセンティブ(誘因)となるというような指摘はその通りだと思う。こういう人がグローバリズムを是々非々で記してくれると良いと思うのだが。
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