メロディというオブジェクト
だいぶ前に事務所のCDプレイヤーが壊れてCDを載せるトレイが出てこなくなった。そこで事務所に結構たくさんあるCDを少しずつ家に持って帰ることにした。とはいえ家も置き場所がないので厳選して聞きたいものだけに絞り、今日は「リプレー・ドビュッシー」というタイトルで、有名なエレクトロニクス、ミュージックコンクレートなどのミュージシャンがドビュッシーの同じ曲をアレンジしたCDを持ち帰った。聞きながら思うのだが、メロディーの力は大きい。メロディーがしっかりあると、音質を変えようと、リズムを変えようと、そう簡単に音楽の全体形は変わらない。坂本龍一もピエール・ヘンリーもポルター・リックスも兄弟である。やはり調性音楽はメロディーが力を持っている。おそらくメロディが感じられないような曲になれば彼らのアレンジは強くその差異を鮮明にするだろう。メロディは造形で言えば形であり音質は素材の色や肌理となる。メロディーの力とは形の力である。どちらも耳と目に訴えるオブジェクトなのである。
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