リレーショナルアートの哲学的根拠はアルチュセールにあるなんて
リレーショナルアートという言葉のリレーションの元になったのはニコラス・ブリアードの書いた『Relational Aesthetics』1998 ,2002による。と飯尾さんが教えてくれたので読んでみると以外な事実にぶつかる。それは90年代アートの「関係性」を哲学的に裏打ちしていた思想はアルチュセール後期「偶然の唯物論」であるということである。そのあたりを抜粋して訳してみよう。
関係性の美学を裏打ちする哲学的伝統はルイ・アルチュセールによって注目に値する方法で規定された。それは彼の最新の論文である「偶然の唯物論」においてである。この唯物論はそのスタート地点において世界を偶有的で、既存の起源や感覚を持たない、まして理性も持たないものにしてしまった。・・・よって人間の本質は純粋に個体間にあり、個体を常に歴史の産物である社会体に関連付ける紐帯によって形作られるのである。(Bourriaud1998 p18)
なるほど世界が偶有的になればなるほど、どこかに確かなるものがあるというのは妄想のようなものでしかなく、よってすべてが関係性に還元され始めたということか。となればこのアルチュセールの言説は罪なものである。世界がすべて関係性に還元されるなんてそんなことはありえない。あって半分である。
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