マスターアーキテクトの仕事
埼玉県の八潮市でマスターアーキテクトなる仕事をしている。市長直属の非常勤アドバイザーであり、ある規模以上の開発に対して助言するのが仕事である。今日は4万平米近いマンション開発への提言を求められた。今までは工場や商業施設でマンションは初めてである。こうやって年に1〜2回呼ばれてそうした開発を見ると街がこういう風に地表面を失っていくのだなということを痛感する。暑い日だからなおそう思うのだろうが、こうやって地表面が失われると気温がまた一度上がるのではと不安になる。
マンション開発の図面を見ると、まあ見事に経済原理でできているのに呆然とする。大学の設計製図だったらさあここからデザインしましょうというヴォリュームスタディの段階で設計が終わっている。これに対して提言することはもはや不可能である。こうなる前に提言の機会が与えられなければ意味がないのだろうと思う一方、そうなるとそれはもはや設計行為なのであり設計を受託しないとできないことでもあると感ずる。なんともジレンマである。
そうなると助言できることは地表面を残しましょう。ということくらいであるがそれも地上は平置きの駐車場によってアスファルト化されている。せめて屋上緑化できないものだろうかと提言する。大きな会社が大きな開発をするのだからその程度の環境への貢献をしても良いと思うのだが。帰り際、われわれが少々お手伝いした駅前公園で休みながら、駅前に地表面を残したこのプロジェクトの意義はあると再認識。
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