ヴィトンもゲーリー
ルイ・ヴィトン・エスパスからダイレクトメール。封を開けて知る次の展覧会はなんとフランク・0・ゲーリー。ついに3つのゲーリー展が都内で同時進行することになる。東京でこうならおそらく世界中で両手では数え切れないゲーリー展が行われているのだろう。一体どうやって誰がこれをマネージしているのだろうか?なんてことを心配するだけ野暮というものか?今年86歳を迎えるこの巨匠のエネルギーはどこから出てくるのだろうか?
スターアーキテクツの先頭を突っ走り世界中にゲーリーアイコンを作り始めた頃から少々彼の建築に嫌気がさしていたのだが、この最新作であるFOUNDTIION LOUIS VUITTONにはわずかな期待がある。形態的にはゲーリーアイコンを引きずっているのだが、今までのような彫刻的な硬さと閉鎖性がすっかり解き放たれて、開放感と透明性に満ちている。ゲーリーが昔建物に纏わせたチェーンリンクをMason Andrewsはシャドーストラクチャーと呼んで彼の重要な特徴とした。今彼はチェーンリンクを木とガラスに置き換えて透き通った表皮(クリアーストラクチャー)を纏わせている。
一人の建築家の一貫性を賞賛する必要はないがそこに通底する「纏う」というコンセプトには建築の本質的な意義があると思われる。というのも建築は服飾の延長だと私は常日頃思っているからである。服も纏うということを初期的な原理とするように建築も纏うものとしてデザインされ、構築され得ると思っている。それによって建築と人はインティミットな関係性を持ちうると思うのである。そういう関係性をゲーリーは40年前に産み初めて今また産み落としたのである。
リアルな体験をしていないので推量の域を出ないのだが、もしここに服を纏うような爽快感が流れているのであればそれは今までのアイコンゲーリーから出した今時の建築を実現していることになるのではなかろうか?
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