次の翻訳本を考える
次の翻訳本を考えている。今度もコンクリートと同じメンバーでやりたい。これはなかなか息のあったチームである。みなの意見を聞きながら最も面白そうな本を選びたいが、さしあたり僕には二つの本が思いついた。
一つはソーシャルデザインのバイブルのようは本である。これは2008年にMOMAで行われた展覧会Small scale big change (小さなもので大きな変化)のカタログである。ここにはソーシャルデザインの歴史と考察、事例と解説が載っている。簡単な本だがヴェネチアでもソーシャルがテーマなのだから時代的な資料と言える。まあ建築家がどんどん小粒になっていく時代にそれを拍車をかけるようなことをしたくないが、簡単な本だから1年で訳してしまうような勢いでこれに手をつけてもいい気がする。
もう一つはあのデコンの展覧会1987(これもMOMA)の実質的なチーフキュレーター(名目上はフィリップ・ジョンソン)だったマーク・ウィグリーの2015年の新刊で「バックミンスターフラー 電波時代の建築」である。電波が建築を変えるという話は僕は彼から直接この2月に南京で聞いていた。これにバックミンスターフラーがどう絡むのかはとても興味深い。
前者は建築を萎縮させるような話であり、でもリアリズム。後者は建築をより拡張するような話だが、ヴィジョナリー。さてどちらが有効か。そして今必要か?前者をサクッと訳して後者をゆっくりやるというのはどうか?
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