コパンチンスカヤ型建築
小学校のころ日比谷公会堂でメニューインのライブを聴いた。演目はベートーベンのヴァイオリン協奏曲。それ以来異なる演奏者でいろいろ聞いてきたが、昨晩you tubeでコパチンスカヤのベートベンを聴いて感動した。
彼女の音はよく聞けば
① 気を入れてきちんとビブラートかける音
② 気をぬいてビブラートもかけず弓の先っぽの方で流す音
③ 僕には聞こえない音(?)
である。つまり俗な言い方をすると彼女の演奏は何を弾いているかより何を弾いていないかを聴くことにその受容の妙がある。
そしてこれらの音が並ぶとメロディーは必然的にとても不連続的に、しかしドラマティックな展開となる。おそらく僕が都市や建築に期待する不連続性はコパンチンスカヤの視覚版である。
一流の音楽家の多くは①のみで音楽を構成し、一流の建築家視覚版①をおこなう。でもぼくにはどうもそういう建築が息苦しい。②を交えた建築にいつも憧れどこで②をやるかあるいは③を組み込むかを考えてしまう。
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