資本論をどう読むか
父の書斎には私が子供のときからマルクスの資本論が並んでいた。そして今でも並んでいる。その間、様々な本が増えては消えたがこの本が消えることはなかった。彼の人生の支えとなったこの本に何が書いてあるのかを聞いておきたいと思っている。と言うのもマルクスの著書は色々な人が色々な読み方をしてその読み方のアクチュアリティを競う対象のような本だからである(アマゾンで資本論と入れると1459件ヒットする)。
そんな解釈本の一つにフレデリック・ジェイムソン野尻英一訳『21世紀に、資本論をどう読むべきか』作品社2015(2011)がある。80になる気鋭の思想家がどう読むのか知りたく朝早く起きて読んでみた。しかし、正直言うと前書きと後書きを読み、本文を読み、場所を新幹線に移し長野を過ぎたら眠りに落ちた。なのでいい加減なまとめだが、この本のポイントは『資本論』は失業のほんであり、ネオリベラリズムの21世紀にますます、資本主義が加速氏、人々が働けば働くほど失業者が増える。これが『資本論』の結論である。資本主義の矛盾は、よく格差であるといわれるが格差は矛盾ではなく結果。労働が労働を消失させるというメカニズムが矛盾なのである。恐ろしいことである。親父が隅田川あたりでホームレスと話すのが大好きだと言っていたが、彼もジェイムソンと同じように資本論を読んでいるのかもしれない。
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