デッドパンの実在性
シャーロット・コットン (著), 大橋悦子 (翻訳), 大木美智子 (翻訳)『現代写真論 新版 コンテンポラリーアートとしての写真の現代写真論 』晶文社2016は現代写真を7種類に分類している。傑作はDEADPAN(ポーカーフェース)。ジュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャーから引き継がれたオブジェクティブな写真の流れはここに分類されている。名前は忘れたが他の分類は、アート作品、現代社会のシミュレーショニズム、生活、などであった。それらは主に対象の問題なのだが、デッドパンだけは撮り方の問題であるところが異色である。人の顔でもデッドパンでとるかライフで撮るかでそれはぜんぜん違うものになる。
しかしデッドパンで撮ると言うことはただ無表情にとればいいのではないだろう。きっとその被写体との本質的な会話がなされるはずである。表情というものは刹那的な現れであり無表情こそが内面(実在)を示すのだろうと思う。
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