mori eiki の写真
第39回木村伊兵衛賞を受賞した森栄喜の『intimacy』は男が男に向けた眼差しである。半裸の若い男性がアパートで目が覚め、そして眠る、散歩に出て寝転がって起きる。一体どのくらいの時間が過ぎているのかも定かではないが、なんとなくこれを見たとき感じたのは研究室で寝起きしている若い学生たちの寝起きの姿である。研究室に行くと常時数人の学生が寝ているのに遭遇する。教師が入ってくると、時間によるがさすがに起き出して寝床を片付けてというような姿に出くわすのだが、そのぼーっとした顔やだらしない服装がこの写真集に重なってくる。タイトルのintimacyは写真家の被写体に向けた視線の質を表しているのだろう。写真には優しさが感じられる。
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