大雪のニューヘブン
午前中の電車でニューヘブンに向かう。なんと今までこの地を訪れたことはなかった。しかしよりにもよって今日は朝からニューイングランドは雪である。車窓から見える眺めはほんとんどスキー場。昼についてキース・クローラックの向かえの車に乗る。あまりの雪なのでイェール大学を車の中から案内してもらう。この19世紀後半から20世紀前半の建物群のほとんどはどっしりとした様式建築である。その中で、カーン、SOM、ルドルフ、グワスミー、フォスターなどのモダニズムの建物が異彩を放つ。カーンの二つの建物は彼の処女作とも言える。イエール大学アートギャラリー(1951年 – 1953年)は彼が53歳のときにできている。もう一つのイエール大学英国美術研究センター(1969年 – 1974年)は74歳の作品である。確かに後者の方が完成度が上がっているように思えるが処女作にして素晴らしい出来であるのは言うまでもない。
ルドルフの建築学部棟は我々の時代の教科書的建築。その程度に思っていたが、『メディアとしてのコンクリート』に記されているように、表面の荒々しいコルゲート状の削り仕上げはコンクリートの汚れを考えてのデザインだった。汚れは溝の凹部分を流れることで規則的な汚れの線を作る意図だったそうだ。確かに50年経ったこの建物の外観は汚れた感じがしない。
You must be logged in to post a comment.