米軍基地
ディヴィッド・ヴァイン『米軍基地がやってきたこと』原書房(2015)2016によればアメリカの海外軍事基地は800近くありアメリカ以外の国が海外に持つ軍事基地は50に満たない。この非対称性にまず呆然とする。アメリカは世界の秩序維持を大義名分に掲げるがほんとうだろうか?共和党と民主党の政策で唯一一致すると言われるのがこの基地の維持だという。これはもはや政策ではなく、国防総省が国家以上の権力と化し、そしてそれをサポートする軍事産業との軍産複合体の強大な力に誰も何も言えないというのが実態ではないのだろうか?
これらの基地が起こす弊害は数多あるがその一つが性の問題である。性暴行や売春という形で表面化するが、著者によれば、これは事件を起こした軍人だけの問題ではないという。入隊してきた軍人教育で最も難しいことは人を殺す精神状態を持てるようにすること。そしてそのためには自分が最も強くて相手より上位にいると思わせる。手っ取り早いのはまず女性を蔑視する男性性を植え付けるのだそうだ。この結果が基地外での性問題であるが、基地内でも女性軍人の37%が2回以上レイプされているという統計があるそうだ。
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