個性の生成
朝買ってきた5冊の本を通読した。個性の生成過程が知りたいというのが狙いでそこには師匠との関係があるだろうという仮定で読んでみたのだが、、、、、『文藝春秋』7月号の「わたしの師匠」の22のエッセイ(皆師匠のいいことしか書かなくてつまらない)。牛尾喜道、藤森武『我が師、おやじ・土門拳』朝日出版社2016、二人の助手による土門論。土門の強烈な個性がうかがわれる(しかし何を受け継いだかという話は特にない)。ヴィヴィアン・ウエストウッド、イアン・ケリー『ヴィヴィアン・ウエストウッド自伝』DU BOOKS 2016を読むと、彼女がマルコム・マクラーレンとともにパンクファッションを作り、それが時代と合致した様が読み取れる。時代とジムんの好きだったことが合致した。幸運な時代との結婚だったと思われる。『日本の建築家』エーディーエー・エディタ・トウキョー2013からは多くの建築家の個性は読み取れるがその生まれ方は読み取れない。槇文彦『漂うモダニズム』左右社2013で槇の自分史が語られる。実に冷静に自己と世界を分析している。おそらくこの冷静な社会との距離感が槇を槇たらしめていると思われる。特にそれを感じさせる次の言葉は印象的である。「わたしの好きな言葉に『形態とはそれぞれの建築家にとって美の追求の過程における彼自身の倫理のあり方に帰結するのではないか』がある」という一文である。これは倫理という社会的産物が形を作るということの言い換えなである。ここに槇の個性の原点がある。
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