衣食住の各界における序列
ブルデューのいう「界」(ある業界が成立しているフィールド)で見るとファッションモデル業界は世界中に「界」が分散し、それらの界にはランクがしっかり付いているそうだ。一流の界はパリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨーク、2流の界は東京、ドイツ、スペイン、そして3流はその他大勢である。なのでモデルは自分のポートフォリオには日本の雑誌で大儲けしてもその事実は隠蔽する。あるいは雑誌からアジアの文字(漢字やかな)をフォトショップで消去するそうだ。もちろん超一流のモデルとなったら間違っても東京のショーには来ないし、雑誌にも出ない。それは自らのステータスをドブに捨てることになるからである。ファッションほど界の序列があからさまな業界も少ないだろう。衣食住で言えばその次にくるぬは食だろうか。料理にしてもワインにしてもフランスの優位性は高いだろう。そしてそれは様々な戦略を持って守られている。そして最後は住である。建築にはそういう界の序列は消滅しつつある。その昔は圧倒的なローマの優位のようなものがあっただろうが今はない。ニューヨークが東京より優れているということも無い。むしろ東京の世界的優位性をあげる人も多い。やはり学問という界の世界的公正さに守られているからかもしれない。
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