20年の停滞
大澤聡が『1990年代論』河出ブックス2017の最後で宮台真司にインタビューして最初に学生より20くらい年上の自分が学生と話してもコンテンツのズレがないという。宮台はそれにたいして「20年
の停滞」と呼び90年代から時代は変わっていないという。その理由は文化が局所局所で蛸壺化して全体を参照できなくなっているからだという。この話は建築でもうすうす感じるところである。社会全体からすると建築やっている人々はよほど全体を広く見渡す視線を持っていると思うものの、社会が動かない90年代後半以降、停滞感は強い。そして停滞することに慣れて行き新たな獲得とか挑戦とかへ走ることがむしろダサく頓馬に見えてくる傾向がある。社会が求めるものをそのまま正確に打ち返すことがスマートに見えていたりするのである。でもそんな日常はもう考え直してもいい。とぼくは思っている。
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