人口の奪い合い
先日紹介した本に2010年から2015年の人口増加率の23区の順位は上から千代田区(24%)、港区(18.6%)、中央区(15%)とありこの要因はタワーマンションと指摘していたが、本日紹介する本(野澤千絵『老いる家崩れる街ー住宅過剰社会の末路』講談社現代新書2016)でもやはりタワーマンションの林立を問題視している。1980年後半から2013年までに都内では550のタワーマンションが作られその6割が湾岸6区(中央、港、品川、太田、江東、江戸川)に集中しているという。なぜここにかというと湾岸エリアにオリンピック施設が集中すること、都市計画規制の緩和を大幅に行っているからなど人口減少した過去の反省から人口を呼び戻そうというわけである。しかしこの呼び戻しは現状予定よりはるかに越えたためすでに教育施設不足などが発生しているという。そしてこうした人口の奪いあいは湾岸タワーマンションに限らず日本全国様々な場所で行われ、計画性の皆無と言える滅茶苦茶な住宅、賃貸住宅の乱立を招いているという。著者は幾つかの提言をしているが、やはりバランスある開発と総量の抑制が必要と思われる。
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