野戦病院の治療 仮住まいの机の上は洪水で日々迫り来る本の波に潰されそう。先週から五月雨式に来ては赤を入れて送り返す4年生の論文の梗概も少しは見られるようになってきた。論文の赤入れというのは野戦病院での治療のようである。皆瀕死の重傷である。骨折してたり、脱臼してたり、炎症を起こしているので人間として機能しなくなっているのが大半の論文である。食い込んだ弾丸をピンセットで取り出し、消毒して、折れた足をギブスで固める。毎日治療して、満身創痍だが歩けるくらいにはなってきたところである。
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