オフィスビルの場所と形
jog arch 12 青山通りに面して吉村順三と谷口吉生のオフィスビルが並んで建っている。昨日の大高、新居の如くこちらも年の差は40才。しかしデザインには40の年の差は現れてはいない。
そこから少し青学の方に進みキラー通りを右折すると程なくして、下比越さんのオフィスビルがある。キラー通りに入ると街区が不整形になり敷地に鋭角なコーナーが現れそれがデザインにストレートに現れている。
道の逆側ワタリウムの脇を入ると袋小路でここに北川原温さんの小さなオフィスビルがある。路地裏にカオティックな様相を呈している。
青山通りは商業地域で700/80。キラー通り沿いは近商で300/80とガクンと落ちる。そして路地に入ると一種中高層住居で300/60。東京の典型的な容積配分の理由はいろいろ言われる。幹線道路沿いの排気ガス遮蔽壁とか、大火災があってもここで食い止めるなどなど。環境、防災的問題もあろうが、期せずしてそのビッグウォールは背後のミクロストラクチャーを保存してきた。外国の建築家たちが東京を歩いて最初に感動するのはこの点である。そしてこういう都市構造にずっと注目してきたのが槇文彦である。
幹線道路沿いはフォーマルドレスをそういうデザイナーがデザインし、一つ横に入りカジュアルになりもう一つ入ってストリート系に変化する。それぞれの場所と装いにはそれなりの役割分担がありそれぞれのトップデザイナーがデザインする。こんな多様性が東京の街を面白くしているわけである。だから偶然残ったミクロストラクチャーはそう簡単に壊してはいけない。
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