ビラシリーズ
bikearch36 原宿の一角にビラと名のつく集合住宅が集まって建っている。興和商事の(故)石田鑑三会長が「自分たちでまったく新しい住宅を作るしかない。最高のものを作ろう。20年先のことをやろう」という意気込みで一流の設計者に頼んで作り始めた集住である。シリーズ最初が堀田英二設計のビラ・ビアンカ(1964)。一層ごとにテラスを挟み込みキャンチレバーでコーナーに柱を立てない設計。数件先に坂倉事務所のビラ・セレーナが1971年に建てられた。その道路を挟んで逆側に次の年ビラ・フレスカ(1972)が作られている。道路斜線をうまくかわしながらセットバックし、挿入された光庭の壁面は黄色く塗り込んで明るくしあげている。同じ年にさらにそのワンブロック先に大谷幸夫によるビラ・グロリア(1972)が建てられた。これ以外にもビラ・ローザ、ビラ・モデルナなどがまだ健在である。すでに50年たっているこれらの集合住宅は実にメンテナンスもよくこれからも生き延びて欲しいヴィンテージマンションである。
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