堀商店
日建には当時査図という実施図面をチェックするプロセスがあり、監理部の怖い先輩が図面を数日朝から晩までチェックする。その時一番時間をかけて見られたのは仕上げ表と建具表だった。一文字で数千万変わるとよく言われた。新人にとってはこの二つは見たことも書いたことも無い図面だからこれを知るにはかなり時間がかかった。鍵だの蝶番だの知らぬことばかり。そこで先輩からショールーム行って見てこいとと言われた。蝶番はスガツネ、鍵は堀である。その堀商店は新橋の角地に昭和7年にできスクラッチタイルの風情でひときわ目立つ。公保敏雄とその実兄である小林正紹が共同設計したものである。80歳を超えなお元気である。
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